ミスチル全曲解説第二弾。
曲の評価としてD~SSSまでランク付けしてるけど、あくまで独断と偏見による好みの点数だ。
低いからと言って質が悪いというわけでもないし、その時の環境や心情によって曲の好みは日替わりで変わる。
そこはご了承ください。
Kind of Love
ミスチルのセカンドアルバム。
前作と一風変わって大人になった印象。
制作はプロデューサーの小林さんと櫻井さんがホテルを貸し切り二人で練り上げ、後からバンドをつけるといった流れだったとのこと。
それ故にバンド感はやや抑え、歌をメインに仕上げたアルバムといったところか。
「抱きしめたい」や「星になれたら」などの代表曲もでき始め、櫻井さんのソングライティングが飛躍的に向上し、曲調も大幅にあか抜けてきた印象。
総評 B
こんな人にオススメ
・初期の成長過程のミスチルを聴きたい
・ロックよりもポップが好き
・甘いラブソングが好き
・櫻井さんの声量を堪能できる
虹の彼方へ【B】
エイトビートで前向きな人気ナンバー。エルビスコステロみたいなギターとキーボードのアレンジが好き。
個人的に深海のプロモーションの時にテレビで披露したこのバージョンが好き。
これくらいギターかき鳴らしてる演奏が好きなんだけどなぁ。
All By Myself【C】
リアルタイムで聞いてたら驚いたんだと思う。急に大人になった印象。
演奏もメロディーも色気があってカッコいい。
ギターもベースもアレンジが好きなんだけど、小林さんのアレンジが前面に出てるのでうまいんだけどバンドとしては少し寂しい。
間奏から後半にかけて登場するアコギは田原さんでなくAPBANKでお馴染みの小倉博和さん。
田原さんのテクニックが曲に追いついてないいかにも初期らしいやり方。
BLUE【A】
この曲好きなんだよなぁ。歌詞も内気な男心が共感できるし十代~20代前半の恋愛してた自分と重ねられてノスタルジックな気分に浸れる。
女々しい曲は嫌いだけど櫻井さんのこういう男の気の弱さとか隠れた下心を書くの本当に天才だよね。
50代の櫻井さんが歌うバージョンも観たいけどあまりライブでやらないんだよなぁ。
いつか生で聞きたい曲のトップクラスの曲。
抱きしめたい【B】
ブレイク前の最高傑作ではないでしょうか。僕も友達の結婚式でこの曲を弾いた思い出がある。
(といっても慣れないキーボードでコード弾いただけ。サビの転調がむずかった、、、)
ただ正直好みではない。なんというかしっとりしすぎて間延び感があるというか、正直聞きすぎて飽きもあることは否めない。
だけど街やラジオでふと流れると聞き入ってしまう不思議な力のある曲だなぁって思う。
一見シンプルなラブソングだけどサビで自然に転調する世界観の移り変わりが面白い。
2番終わり後の間奏のシンセがめちゃ好き。ここだけ聞いても泣ける。
グッバイ・マイ・グルーミーデイズ【C】
ミスチルで唯一のシャッフル系の曲。
ベースライン、リズム、ギター、コード進行など作曲面やアレンジなどで小林さんの手腕が光る曲。
この手の曲は以降出てこないのでいい意味で浮いてる曲ともいえる。
初期のちょっと恥ずかしくなる感じだが可愛らしさもあって結構好き。
Distance【B】
ディストーションのギターがフューチャーされた物憂げなミディアムロック。
2番後のミドルエイトが天才。ミスチルはこのミドルエイトが秀逸なんだよなぁ。
以降このDEEPな骨太のスローミディアムロックがアルバムの後半に入るのが定番になる。
虜、ボレロ、Bird Cage、Pink〜奇妙な夢、羊 吠える、SUNRISEといったあたりのポジション。
アルバムの後半にこういった聞き込み系が結構好き。
車の中でかくれてキスをしよう【C】
この曲のギターアルペジオを弾けたときは自分に酔えたんだよなぁ。
赤いスイートピーばりの美しいイントロ、メロディー。
「誰もいない月の浮かぶプール」「震えてる青ざめた唇を僕に見せて笑い転げてる」
・・・なんてロマンティックで素敵な描写なんだ。
思春期の夏 〜君との恋が今も牧場に〜【D】
箸休め的な位置づけのドラマーのJENさんが歌う曲。自作まで続くシリーズ。
割と飛ばしてしまう曲だけど、ミスチルにはあまりない素直なカントリー調で悪くないと思う。
ライブでは茶化して歌う映像しかなく、それもそれで箸休めで面白いか。
CDで聞けるギターソロはJENさんが弾いてるらしくなかなかの腕前。

星になれたら【B+】
初期の代表曲。ファンの中でもとりわけ人気のある曲。
虹の彼方へ同様ストレートなポップナンバー、前向きな歌詞も好き。
個人的にひねりがある曲が好きなのでこの曲は大好きとはいえないが、
こういった普遍的な曲は心の奥底に流れてるというか、精神の安定剤的な役割があったりする。
ベースラインが秀逸、中川さんのベストプレーの一つ。
ティーンエイジ・ドリーム(I〜II)【A】
二部構成からなる初期の大作で、当時の櫻井さんのインタビューでご本人もお気に入りと太鼓判だった。
サブドミナントのマイナー使い(当曲だとⅭ→Cm)が効果的で頻度も多い。そこから生まれる淡いメロディーが好き。
後半からはディストーションのかかったハードな展開、カッコいい。
歌詞も二面性が出て十代の心情の表と裏が巧みに表現される。
いつの日にか二人で【B+】
ラストを飾る極上のバラード。
ミスチルがこういった歌ものバラードをラストに持ってくる構成が多くなんとも憎い(いい意味で)。
既にメロディーメーカーとして才能が爆発してる。
「誰かの言うダメなわけも~」から転調してまた元のキーに戻る演出、歌詞と照らし合わせた転調が凄い。
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